片づけカレー

冷蔵庫に野菜が半端に残っていたので野菜カレーにすることにした。

ニンニクを切って炒めて、人参とブロッコリー、それからじゃがいもを投入して炒め、煮込む。あとはカレールウをいれてとかして出来上がりである。

 

私はこれを「冷蔵庫片づけカレー」と呼んでいる。

その時に入る食材はまちまちである。じゃがいもがかぼちゃになるときもあれば、キノコだけカレーになることもある。ナスや豚肉のあまりが入ることもある。水っぽい食材でなければだいたいおいしくなるのがカレーのいいところである。冷蔵庫は片付くし、いろんな栄養を食べられるので我が家では野菜が余ってくるとだいたいカレーになる。

 

ついでに小麦粉と強力粉が残っているのでナンでも作ろうかと考えたが、今朝ごはんを炊いてそのままになっているのを思い出してやめた。カレーこそ100%白米が合うと思うのだが、最近は健康のために押し麦をいれて炊いているので思いのほかヘルシーなカレーになってしまったがまあそれは仕方ない。ブロッコリーの入ったカレーを食べながら「これナンのほうがおいしかったな」「バターがほしい」と思いつつ、ヘルシーな割には腹持ちも良く完食した。

 

これの亜種としては豚汁もある。半端に残った野菜を切って、豚肉と一緒に炒めて味噌で味付けするだけである。これも冷蔵庫が片付く。

 

ところで子供のころ毎週土曜日はカレーの日だった。我が家ではそう決まっていた。だいたい父の好きな甘口のカレーで、牛肉の入ったやつかシーフードカレーだった。私はこれが苦手で大人になるまで家のカレーが嫌いだった。家のカレー美味しいじゃん、と言われるたびに「まじかよ」と本気で思っていた。今のパートナーの肉なし野菜カレー(ジャワの中辛)を食べたときはじめて「あれ、カレーってこんなにおいしいんだ。」と思った。そこから普通に家でもカレーを食べるようになったし、外でも積極的にカレーを食べるようになった。私は甘口、肉あり、シーフードミックスが苦手だっただけでカレー自体が嫌いだったわけじゃないと気づいた。あと母はいろんなものを隠し味として投入する人だったのでそれもあると思う。ヨーグルトとかチョコレートとかマギーブイヨンとかよく投入していたので。パッケージ通りに作ればいいのにパッケージ通りに作らない。私以外の家族は「おいしいおいしい」と食べていたが本当においしかったのかは今でも謎である。インスタントコーヒーを投入していたこともあったな、そういえば。ちなみに私はグミも触感が苦手で今でも食べないが、それも母の作るシーフードカレーからきている。カレーとグミが結びついてしまってどうもだめだ。

 

家のカレーが苦手というのも変な話だが、今の我が家のカレーのスタンダードは肉なし野菜カレーなのでたまに肉をいれると逆に家族からブーイングが来る。家の数だけそのうちのカレーがあるのだろうなと私は思う。私は昔、ある寺でこんにゃくいりのカレーを食べたことがあるがその住職さんのうちではカレーと言えば毎回これと聞いておもしろいなと思った。カレーは家で食べたことがない、という同級生もいた。彼女はうちに泊まりに来た時「家のカレー」なるものを初めて食べて感動して食べていた。ちなみにその同級生はハヤシライスはたまにでてくるといっていた。

 

カレーってどうしてこんなに思い出があるのだろうね?

キャンプでも学校の行事でも決まってカレーだったし、なににするか決まっていないときもカレーになりやすい。作る手間だけなら味噌汁とたいしてかわらないのに、思い出だけは味噌汁よりずっと多い気がする。不思議だなと思いながら空になった鍋を洗った。

 

Photo by さわ太郎

カレーとサラダのフリー素材 https://www.pakutaso.com/20150915244post-5977.html