苦手な服探しを終わらせたい


服を買うのが苦手だ。

昔から服に興味がないのもあるけれど、下着や靴下を買うのも苦手である。

そもそも、だ。服を買うためにわざわざ店にいく(もしくはネット通販で探す)行為が面倒くさい。服の流行なんて毎年変わるし、妙にダサい刺繍が入ったものを弾くとたちまち範囲は狭くなる。シンプルに今の季節ならジャケット!ベスト!(もしくは薄手のニット)厚手のコットンシャツ!綿パン!長い靴下!でいいのに最近の服はやたら薄い上に季節感がない。

 

歳を重ねても自然に着れる服を探しているのにアパレル業界というのは毎年服を更新する。なぜ田舎の年寄りたちがダサいのかと思っていたが、田舎に暮らしてわかった。まず店がダサいかユニクロしかない。そしてユニクロは若い人向けの展開をしているので年寄りが着るにはやや不似合いなのである。まあ、ユニクロでも田舎にありがちなヒョウ柄虎柄ギンギラギンのスパンコールやジャージ素材、よく伸びるシリーズの中からおしゃれに着こなすハイパーおしゃれさんは存在する。存在するが、彼らはおそらく若い時からおしゃれレベルが高いのだろう。私の亡くなった母方の祖母もまさにそのタイプだったが90すぎて美人さん、と呼ばれる超絶品の良いお嬢様であった。そして服が大好きだった。私みたいに服に興味がない人にはとても真似ができない。

 

とはいえ私はランニングする以外の用途でジャージ素材を着て外に出る勇気はないし、もっというならスパンコールは10代でやって黒歴史すぎるので二度とやらない。あれを60過ぎてやれといわれても嫌だと言うだろう。

いつもハクメイとミコチを読んでいて「こういう服装いいな〜」と憧れるのだが、私がきたら作務衣になること間違いない。ミコチ風になるつもりがペテン師みたいな服装になってしまう。

hakumiko.com

アニメハクメイとミコチ公式サイトより。漫画版ではインナーも含めて細かく設定されている。

そういうわけでいつもフリマやリサイクルショップで一昔前の製法のしっかりした多少古臭いデザインを買うことが多い。が、収穫がないとたちまち服に困る。それでショッピングモールにいくのだがこれといったものを見つけられずにすごすごと帰ってくる。

 

服がいつも同じ過ぎて「服あげようか」「服買ってあげる」と他人によく言われる。ファッションコーディネーターをしている知人に「あなたは素材は悪くないのに本当に服に関心がないのねぇ」と呆れられたレベルである。毎日私服もスーツを着て過ごした時期もあるが、「服が!よごれる!やめなさい!」とパートナーに呆れられてやめることになった。ちなみにその次は一年中上はアンダーアーマーのウェア、下はジーンズを着て過ごした。極端すぎる。

 

今日も「たまには外でなよ。もうこもって何日め?」と息子に言われ新しいショッピングモールに電車で片道一時間かけていったのだが、冬用下着とスニーカー(980円)を買っただけである。膨大な店の中から自分に合いそうな服を見つけるのは非常に困難だ。

 

出鱈目に服をどうにか組み合わせてなんとか一年を乗り切っている。そうしておしゃれ着が必要なときにたちまち焦るをもう何年も繰り返している。

できたら国に洋式の国民服を義務付けて欲しい。そうしたら毎日それを着て冠婚葬祭でもなんでもいける。サイズが変わった時は無料交換、死んだら返却・解いて洗って染色しなおしてまた新しく作るでよくないか?ワーネバエルネア王国みたいに。

 

服に関心が薄い私にとって、服を探すのは苦痛そのものだ。はてさてどうしたものか。早くこの問題に終止符をうちたいものである。