先日病気の定期検診にいって、いつものごとく薬局で薬をもらいに行った。担当医にはこの二カ月ででた症状について話はしたのだけど、「まあ、今の薬飲んでると症状でている日以外は体調はいいんでしょ？寝込むほどでもないみたいだし。」と言われたので、こちらも「まあ、そうですね。(その症状でてるの薬飲むほどじゃないけど結構つらいけどな。)」と会話しただけでものの三分で終わったので、まあこんなものか、と思っていた。
ところがだ。今利用している薬局は必ず毎回「薬ついて不安なことや気になる症状はありますか？」と聞いてくる。そして聞き出し方がうまい。どの薬剤師さんにあたってもだ。そうして話を聞いた上でその場で病院に問い合わせてくれたりするのでだいたいいつも混雑している。
今回は女性の薬剤師さんだったのだが、開口一番「この薬は飲みはじめて何ヶ月かはきまった副作用出ますけどもうおさまりましたか？安定してます？」と聞いてきたのでこちらも「副作用はないんですけど相変わらず時々こういう症状でるんですよね〜。担当医には伝え済みですが、まあ今の薬飲んでるとメリットが大きいので続投になりました。」と自然と話してしまった。そうしたら「えっ。別のこういう症状ではなくでですか？」と聞くので「そうなんですよね。」と。そうしたら「話聞く限りでは医師の判断で合ってると思います。ただ、〜さん自身は納得されていますか？」と言われたので内心ひどく感心してしまった。
私は今の担当医を信頼しているし、そこの科に勤めている看護師も信頼している。総合病院だから多少事務的なところはあるが、基本的に親切だし、困った症状がでれば話を聞いた上で「今日か明日にいらっしゃい」と言ってくださるからだ。前回のことだけでなく、治療当初からの比較や、症状の頻度についても聞いてくれる。だから医者が出した判断に対して納得しているのか、なんて考えたこともなかった。
けど考えてみれば、昔別件で通っていた病院は副作用についてどんなに話しても薬が増えるだけで、それについて近くの薬局も何も言わずに出すだけだった。副作用で倒れてようやく「この量おかしいよ！」と運ばれた病院先で言われて無事適切な治療のすえ治ったのだが(一年かかっても治らなかったのが三カ月で治った)、その最初に通っていた病院の医師に疑いを持ちつつもその頃には考える余力もなかった。薬剤師も何も言わなかった。
その無茶苦茶な病院と薬局は今はもうない。移転したのではなく、なくなった。流石に似たようなクレームがついたのかもしれない。
まあそれ以来納得できないことはすぐ質問をするくせもできたのだが、今通っているところは良い病院だと感じているためか少々信頼しすぎてるところはある。「医師の判断に納得してますか？」という質問はまさに驚きだった。
「他に薬はありますから、合う薬は探せば見つかると思います。患者さん自身が今の処方に納得されていないのであれば再検討してもいいと思いますよ。」とも言われた。
結局いつもの薬を処方してもらって感謝を伝えたのだけど、会計の時にボソッと「実は私も同じ薬を飲んでて、他人事には思えなくて。症状軽んじられますけど結構辛いですよね。」と話されたのでああ、そうなんだ、この人自身の経験と優しさから聞いてくださったのかと気づいて重ねて「ありがとうございます。なにかあればすぐに病院にかかります」と伝えてかえった。こういう方がいると本当に自然と頭が下がる。
他人の下した判断に自分は納得しているのか。
これは極めて大切なことだと私は思う。
特に医師は生死に関わるようなところを扱っているという意味で、スペシャリストだと見がちだ。それに間違いはないけれど、彼らもまた人であり、人である以上間違いも起こりうる。
友人にこれでいいんじゃない？と聞かれたら「いや、私は納得してないから嫌」と言えることが知識もないため医師には言いづらい。
だいたい病院いくときには症状がでてからいくから、余計に医師が下した判断に「はい、はい」と返しがちになる。
こちらのあり方も考えることが必要だな、と考えさせられた出来事だった。
