自分ファーストでもかまわない

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先日は病院の日で、医師と意見が食い違い、今後の方針についてかなり強めに強要されたうえにため息をつかれたので、頭に来て「なんだと?このやろう!」と怒鳴るのを我慢して「保留にさせてください」と返して帰宅した。怒らない怒らない、一休み一休み。前から押しの強い医師ではあったし、痛みがひどい時も「検査したけどなんともないから大丈夫」とか言われて薬も処方されずに帰宅したことがあったのだけど、まあ私も共感とかされたいタイプではないし、他に不満もなかったからどうでもいいと考えていたのだけど流石に今回はかちん、ときた。

 

人間誰しもいい時もあれば悪い時もある。医師だって仕事だし、帰れば家庭もある。職場で「あんなこと言ったけど、患者さんかなり悩んでたな。転院するのかな。いや、治療をやめたら経過が不安だな。」とか考えているかもしれない。大人だから感情コントロールはできたほうがいいけど、そんな完璧にはできないわな。私だって仕事モードならかなり冷徹になるところがあるし、別に医師を責めるつもりはない。

 

で、少し冷静になりたかったから私とはタイプが真逆の母に電話した。母は万年ケセラセラな性格であり、大変素直で楽しいことが好きな人である。常に家庭より自分ファーストにするタイプ。まったく論理的ではないし、話を聞くタイプでもないのだけど、あまりに落ち込んでいるのも馬鹿馬鹿しかったから電話で開口一番に「相談したいことがあるんだけど」と切り出して話したら、「そりゃ医者はそういうでしょーよ。自分がすすめる方針とれば自分のポイントになるし、ひっきりなしに患者はくるし。」とバッサリ。「でもまあ言い方が失礼だよねえ。ほんとうちの死んだじいちゃんも医者だったけど上から目線の酷い言い方する人多い!あんたがかかってる科のことは知らんけど、セカンドオピニオンかかったら?治療長くなりそうなんでしょ?」と。ついぽろっと、「実は今の治療も時々きつくてやめたい」と言ったら「やめてもいーんじゃない?我慢するくらいなら自分ファーストで。あんたももういい年だしもっとわがままに生きなさいよ。」とそのあとどうでもいいことベラベラ喋って切った。

話し終えたらなんか、まあどうでもいいかという気がしてきた。医師の発言にいらついたのは事実だし、嫌なら別れればいいのだ。

 

母の自分ファーストを長年見てきた私は、いや、もっというと家族は母に振り回されて生きてきた。なんせ「明日からフランスいってきまーす」とか言って本当に行っちゃうタイプなのだ。笑い事ではない。しかも家事スキルが壊滅的である。そのため母を除く家族全員は常に誰かが母の代わりをやり、だいたいが私に押し付けられてきた。だから私は母の自由奔放な性格が嫌いなのであるが、最近少し認識が変わってきた。というのも母は好き勝手して、無茶苦茶なのに、離婚もしていないし家族仲もそんなに悪くはないのである。それに友人も非常に多く新しい情報もネット並みに詳しい。母をみてると時折腹が立つが、やりたいことを全力でやる様は清々しくもある。母は周りをふりまわすが、同時に元気にもする人なのだ。

 

そんな母に悩まないのか、とたずねたら「あんたみたいにグダグダ考えてたら何もできないじゃん」と言われるのだけど、常に他人にもこうなので「失礼な人だね!」と相手を怒らせることも多い。でも態度は一貫して変えない。強い、強すぎる。そして私も自分ファーストでいいんじゃない?という気がしてくる。「だって嫌味はなくならないし、失礼なことでいちいち気にしまくっていたら命おわっちゃうよ」と母はいう。本当にその通りである。

 

自分ファーストでもかまわない、という母の姿勢を少し見習いたいと思う。

 

Photo by つるたま

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