365日サンタ

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ブックサンタが話題になっている。

ブックサンタ自体は私も知っているし、取り組み自体はいいと思うし、子供たちに本をプレゼントする企画には私も違うところで何度か参加している。

 

ただよくよく要項を見たらあれはだめ、これはダメが多かったりしてなんやねんと思ったりすることがある。

 

そもそも乱雑派の私からすればよくわからん実用書でも受ける予定のない大学の赤本でも図鑑でも漫画でもなんでもええやん、むしろなんでもあるから楽しいじゃんと思うし、本あげるくらいならAmazonの読み放題契約したタブレット配布して一年分通信費払ってあげたらいいんじゃないかな、、と思うのである。

 

で、そもそも私も貧しくて欲しいものもらえなかったことなんかたくさんあるのだけど、今は誰かに何かプレゼントするならなにか自分で創作したりして頑張ってる人たちに300円くらい配りたいよねと思う。noteで別名でやってた頃、この記事の作者すごくいいやんと思った人に月一でランダムに寄付していたのだけど、同じ額を同じ人に返されることが多くてちょっと萎えた。有料記事を買っても何度か買うと紹介してくれるひともいて、ただで好意を受け取るのが下手だなとちょっと思ったり。

まあね、理由がないとダメな気持ちはわかる。

 

だからこそ私は大人にも子供にもプレゼントというか一緒に頑張って生きようぜ、と思える行動をしたいと思う。仕事も生活もぼろぼろだったとき、駅のホームで泣いた日に「これでも飲んでね。なんのたしにもならないけどさ。」って温かい缶コーヒーを自販機で買っておいていってくれたサラリーマンや、「返さないでいいから。」ってハンカチくれた女子高生や、「座りなさい」って席を譲ってくれた年配の女性、泣いてるのをそっとしておいてくれた人たちもきっとどこかで辛い思いをしたりしてるのだなと思う。なにより缶コーヒーやハンカチより気持ちが嬉しかった。

 

子供にばかり注目しないで「ブックサンタ」も大人にもすればいいのにな。「ミスドサンタ」「コンビニサンタ」「カフェサンタ」なんでもええやん。元気出してね、よい1日を、って。互いに。365日。

 

コンビニで一時期バイトしてたとき、いろんな人種が多い町で「チップチップ」と毎回いくらか小銭を渡してくる黒人三人組がいて、もちろんチップを受け取れないので断っていたのだけど、「しんせつにしてくれた。おれいのチップね。よい一日を。」なんて片言の日本語で言われてその気持ちがすごくうれしかった。彼らはことあるたびに自分のレジに並んでくれたし「げんきですか。今日もよい一日を。」「はい、いってらっしゃい。」なんてこちらも返して朝彼らがくるのがちょっと楽しみだった。コンビニでは年末新聞選びに迷っている年配の女性を助けたら、何日かして「この間はありがとうね〜。あなたのおかげで助かったわ。お礼をさせて頂戴」と3千円分のお菓子を買ってくれた上に、そのうちのひとつをあなたに、ともらったこともあった。なかなか捨てたものじゃないのである。

 

気軽に気持ちのプレゼントができたらいいなぁと思う。体感としては「どうもお世話様」「いえいえこちらこそ、本当によくしていただいて。」と面と向かって挨拶することが減った気がするのだけど、まだまだ根底にはどの人の心にもある気がする。利他の心って大事だなぁと思う。そしてそういう姿こそ子供たちにみせたい。

 

365日いつでもサンタが町に溢れる世界になったらいいなと思った冬の1日だった。

 

Photo by エリー

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