菓子詐欺事件

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遠縁の親戚の葬儀に間に合わなかったので49日にあわせてブリザードフラワーを送ったら高くて美味しい洋菓子になってかえってきた。青い箱にフランス語で「フランスの高級でエレガントなお菓子です」とか買いてある。店側が自分で言うなよと内心突っ込みつつ食べてみたら材料をけちっていない高級で上品な味がした。疑ってごめんなさい。

 

ヤマトさんが届けにきた時に「うちじゃないです」とかいってしまって困らせてしまった。

なんせ普段縁がない親戚であるし、そもそも私宛に何か送ってくるのはパートナーのおねえさんくらいしかいない。それも気を使わないようなタイミングで送ってくる人なので、こんななんでもない平日に私に何かを送る人がいたら詐欺だと思ったのである。

 

一瞬「え?」とヤマトのドライバーも困った顔をし、一緒に住所の確認をする。相手方の苗字をよくよくみて、はっとする。遠縁の親戚の名前である。そういうことする人ではないと思っていたから油断した。たしかに先月私は49日に贈り物をしたではないか。

「ああ、すんません。うちです。私です、はい。」謝罪してうけとる。「ですよねー。」「はい、暑い中ありがとうございます〜」へこへこしながらドライバーを見送る。ごめん、ヤマトさん、困らせて。

 

親戚は思いの外喜んでいたらしい。ああ、よかった。母が訪問した際お菓子や線香だらけで花がなかったと聞いていたので、ならばと以前購入してよかったブリザードフラワーの店にネットで注文したのである。これなら終わったあとも食卓に飾ったり、小さいので捨てるのも簡単である。水換えもいらない。

それにしてもたかだか数千円のブリザードフラワーがその倍はしそうなお菓子に化けたのだから苦笑してしまう。また一筆書かねばならない。

 

そんな話を母に電話でしたら「今どきあんたみたいな昭和人間はいない。メールでいいのよ。」と言われてしまった。これくらいで昭和と言われる私は実はもう化石なのかもしれない。私が化石でも博物館どころかその辺の道端にでも転がっていそうだが、何はともあれ考えが古臭すぎるらしい。年寄りかよと年寄りに言われてしまった。お返しをいただいておいて、電話か邪魔にならないよう一筆と思っていたのだが、もう最近では下手したらlineとかtiktokなのかもしれない。『叔母様叔父様ありがと⭐︎』とかそんな感じなのかもしれない。我ながら表現が時代遅れである。

 

それでも気持ちには丁寧に返したいと思うのは私の性である。ありがとうの気持ちにはこちらもありがとうと返したい。それにはメールやlineやtiktokでは不十分だと私は思うのだ。

そんなことを書きながら、ブログのコメントも返さないのだから私は随分とちぐはぐな人間である。いっそ顔隠して「Arigato〜」とか言って踊るべきかもしれない。ちょっと面白そうだなと思う自分もいて我ながら呆れてしまう。もしtiktokやショートで私が踊り出したら「ああやっぱりな」とアンチボタンを押してくれると幸いである。そしてしょーもないと思い思いに好きな飲み物を飲んで欲しい。

 

つまり何が言いたいかと言うと私は皆に笑ってほしいのである。強欲だがそれが本心だ。

あの人今日もアホやな、あははと笑ってくれたら私も嬉しい。最近まったく静寂ではないブログになっているが、笑えるうちは平和である。なんでもない1日が菓子ひとつで事件になるのだから今日も感謝である。それでは皆さん、良い週末をお過ごしください。

 

Photo by すしぱく

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