読書好きの冒険

秋といえば読書!なんなら年中読書!(四季関係ない)

なんだかんだで本に全く触れない年はないなあと思う。

動画も面白いのだけど、あれは大量にインプットするのには私には向いていない。

多分8倍速くらいで見ないと時間がもったいない感じがする。

さて今日は今週のお題「好きな小説」書いてみようと思う。

 

このブログでも随分前に普段ほとんど小説を読まない私が紹介する記事を書いた気がするのだけど、今日は今まで読んだ中で「これが一番好き!!」とはっきり言える一冊を紹介したいと思う。

それは夏川草介さんの「本を守ろうとする猫の話」である。

 

夏川草介さんといえば「神様のカルテ」で有名でカルテシリーズもなかなかに面白いのだが、この「本を守ろうとする猫の話」は読書家なら一度はふと考えてしまう事柄がたくさん出てくる。小説の中で、主人公は様々な形で”本を切り裂く”人たちに出会う。

そうして”本を切り裂くこと”をやめさせるように行動していくのだが、それらの行動は主人公の内面も同様に成長させていく。静かで、しかし確実に一歩一歩進める描写は夏川草介さんの作風特有であり、また読書家がどこかで読んでいる具体的な作品が出てくるのも面白い。

 

私がこの小説を好きなのは静けさと逞しさがあるからであり、また主人公が特別でもなんでもないキャラクターであるからだ。例えばハリー・ポッター精霊の守り人などの作品は”一見地味だが実は特別(もしくは凄腕)”の主人公であるが、「本を守ろうとする猫の話」の主人公も見た目も性格も行動も地味である。なんらかの地位を与えられたりしない。なんでもない主人公が自分の頭で考え、迷いながら歩を進める様は、自分と重なる部分もあり「頑張れ!」と応援したくなる。一冊で完結しているのも良い。(続編出たけど単体で読んでも問題なし)

 

ダイナミックな冒険の話ではないけれど、本好きなら一度は読んでみてほしいと思う。