母方の祖母が亡くなった。
ほぼ老衰によるもので、何の予兆もなく静かに逝ってしまった。
自分にとっては家事一切を彼女から学んだ。感情的にならないでいることを教わった人でもある。
人が亡くなるというのはいつも不思議だ。
いなくなって寂しいけれど、灰になって、エネルギーは自然界に還る。
だから肉体はもうないけれど、エネルギーとしてこの世界の一部に戻ったんだ、と私は考えている。そう考えると人はマジで死なないのかもしれない。意識した瞬間にある、ということは思い出すたびに存在する、ということだから。
いつもそんな風に死を捉えてしまうせいで、悲しむべき時にどうも泣けなくて困る。いや、たしかに悲しい。親しい人ならとくに。
でも、人はいつか宇宙に還ると教えてくれたのは祖母だ。だから寂しいけど寂しくないよ、って。悲しくなったら空を見なさい、と。
離れて暮らすようになってからもう何年もあっていないけれど、これからは意識したらすぐに会えるね、とも思う。
でも私に負けず好奇心旺盛な祖母のことだから今頃冥土観光しているに違いない。ありがとね、と言いたい。あなたの好奇心旺盛なところは私が引き継いでいくよ。