自分が読んだ本を違う誰かが読むのは嬉しい

 

毎日の更新を楽しみにしているブロガーさんの記事を読んでいたら、ずっと昔に私も読んだ本を読んで感想を書いていた。普段紹介している本のリストから私とはちょっとジャンル違いだな、と思っていただけに思わぬ一致に少し嬉しく思った。

 

いまはもう見かけないけれど、私が子供の頃は図書館で本を借りると本に貸し出しカードというのがついていた。そのカードに名前を書いて図書館員に渡すのだ。そして返すときにはその貸出カードは本に戻される。

私はこれが好きだった。なぜならまだ誰も読んでいない本は誰の名前の記入もなく、たくさん読まれた本にはそれだけの数の名前がずらりと書かれていたからである。もちろん基本的に一冊に一枚なので、満杯になると新しくされるのだが私が通っていた小学校の図書室は司書の方の一工夫でそれが何枚目かわかるようになっていた。

 

当然たくさん借りれば、たくさんの貸し出しカードに自分の名前が載ることになる。

年一回の読書マラソンの時はもちろん、私は年100冊は読んでいたので「あっ、いつも貸し出しカードに名前がある子だ!」と知らない同級生や上級生に話しかけられることもあって、そこから読書仲間ができたりして楽しかった。

「この本読んで面白いと思ったならこれもおすすめよ。」と司書の方に本を紹介してもらうこともあった。

 

今は一人一枚カードがあって、誰が借りているかわからない。わからないけども、時々同じ棚で本を探していて手が当たってしまうとき、ちょっぴりくすぐったい気持ちになる。

神保町なんかにいくと、たまに自分が読んでる本が向かいのテーブルの人と同じだったりして、目があったりするとお互い軽く本の表紙を見せて会釈したりするのだけど、やっぱり同じ本を読むというのはなんだか嬉しい。

少なくともその本を読もうと選んだ、という点では同じで本を通して会話した気持ちになるからだと思う。